高水準の滅菌・衛生管理
滅菌衛生管理の徹底
滅菌・衛生管理は、歯科医療において感染症の予防と安全性の確保を目指すための重要な取り組みです。滅菌・衛生管理は、歯科医療現場で行われる診療器具や医療機器の感染症リスクを排除し、患者様と当院スタッフの安全を確保するためのものです。
当院では、厳格な基準とガイドラインに基づき、滅菌・衛生管理を実施しています。
消毒・殺菌・滅菌の違いは?
患者様のお口に触れる機器には、唾液や血液が付着します。これらの体液にはさまざまな細菌やウイルスが存在しますが、目で確認することはできません。特に白血病やHIVなどの感染症の原因菌は、通常の消毒・殺菌では完全に除去できません。それらの病原菌は滅菌処理を施さない限り生存し続けます。もし、感染症を引き起こす可能性のある唾液や血液が不適切に処理された器具に付着し、それが患者様の口内に入ってしまった場合、取り返しのつかない院内感染を引き起こす可能性があります。そのリスクを避けるために、滅菌処理は重要です。
「消毒」・・・ 細菌の活動を弱めた状態(しかし細菌は生き残っている)
「殺菌」・・・ 特定の細菌を死滅させた状態(しかし全ての細菌は死滅できていない)
「滅菌」・・・ 全ての細菌が完全に死滅した状態
患者様ごとに器具を交換・滅菌している歯科医院は全体の約50% ?
2017年の厚生労働省による歯科医院のアンケート調査によると、患者様ごとに器具を交換・滅菌している歯科医院は「全体の52%」という結果が得られました。これは、残りの48%の歯科医院は、感染症患者や血液が付着した場合にのみ滅菌を行ったり、滅菌ではなく消毒を行ったりしているということです。つまり、歯科医院の半数以上が「器具の使い回し」を行っている状況であるといえるのです。
滅菌は医療の安全性の上で非常に重要な基準の一つですので、歯科医院を選ぶ際にはこれを考慮することが重要です。
使用器具の滅菌・消毒
使用する診療器具は、感染リスクを排除するために適切に滅菌・消毒されます。当院スタッフは滅菌のための適切な方法やプロトコルに従い、器具の清潔さを保ちます。
ジェットウォッシャー
当院で採用している「ミーレジェットウォッシャー」は、消毒・滅菌の世界基準である「ISO15883」に規定された「93度+5分間」という条件をクリアした、歯科治療で使用した器具の洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を全て自動的に行う熱水消毒器です。 感染の原因となる血液や唾液などのたんぱく質の汚れを落とすだけでなく、93℃の熱水ですすぎを行うため、高レベルでの熱湯消毒が可能です。
また、第三者研究機関によって多数の微生物試験が行われており、高い消毒効果が認められています。
クラスB滅菌機
当院では「クラスB滅菌機 – LISA」を採用しています。治療で使用する器具は「クラスB滅菌機」を使用して高圧の蒸気で滅菌しています。この「LISA」は、ヨーロッパの厳しい基準に合致した性能を持ち、器具に付着したあらゆるウイルスを死滅させることができます。これにより、最高水準の滅菌を実現します。
高圧蒸気滅菌器は、上から順に「クラスB」「クラスS」「クラスN」とクラス分けされており、多くの歯科医院ではほとんどがクラスNという現状があります。
クラスBとは
クラスN ・・・ 通常の歯科医院で行われているスタンダードな滅菌です。
クラスS ・・・ 滅菌前の1回、真空状態を作り高圧蒸気滅菌します。
クラスB ・・・ 滅菌前、乾燥時に数回の真空状態を作り、あらゆる種類の菌やウィルスを滅菌します。
滅菌パックシステム
当院では器具の使いまわしはせず、しっかり滅菌し、「カナダMEDICOM社製滅菌パック」を患者様お一人おひとりに使用しています。
滅菌パックは全て、使用直前に患者様の前で開封しておりますで、治療直前まで器具が細菌やウィルスに触れる心配がありません。
ディスポーザブル(使い捨て)
一部の器具や材料は使い捨てとし、再利用を避けます。使い捨て器具の使用により、感染リスクを大幅に低減することができます。
医療廃棄物の適切な処理
使用済みの器具や材料は、医療廃棄物として適切に処理されます。廃棄物処理の基準に従い、感染リスクのある廃棄物を適切に管理します。
スタッフの衛生管理
スタッフは手洗いや手指消毒を徹底し、診療時には適切な防護具(マスク、手袋、ガウンなど)を使用します。これにより、患者との接触時の感染リスクを最小限に抑えます。
口腔外バキューム
粉塵や飛沫の飛散を防ぐため、口腔外バキュームを使用しております。