炭酸飲料は本当に歯を溶かす？

甘い炭酸飲料は要注意

歯というのは、酸で溶ける性質を持っています。そのため、酸性度の強いものは歯を溶かすリスクがそれだけ高くなります。実際に、過食嘔吐症などでよく吐く人は胃液によって歯が溶けてしまっていることが多いですし、酸っぱいものを好んで食べる人も同様に歯が溶けてしまっているということがよくあります。

歯が溶ける酸性度はP H５.５以下くらいからとされています。コーラはPH２.２の強酸性ですので、飲む頻度が多いと、歯が溶けるリスクが高くなります。このほかにも、他の甘い炭酸飲料は、さまざまな添加物などの影響もあり、酸性度が高いため、頻繁に飲むことは避けた方が良いでしょう。もちろん、このような飲み物は砂糖も大量に含まれている点でも、歯や健康に悪いので、注意が必要です。

無糖の炭酸水なら大丈夫？

では、ノンシュガーのものは大丈夫かというと、そういうわけではありません。ノンシュガーの甘い飲み物は、砂糖は含まれてはいませんが、やはり、クエン酸などの酸が多く含まれているため、酸性度は強く、歯を溶かしてしまうという点ではリスクは高いと言えるので、注意が必要です。

フレーバーや甘みのないシンプルな炭酸水の場合は、普通の水よりも多少酸性度が高いくらいですし、唾液の中和作用で速やかに中和されると考えられるので、毎日飲んでいても、特に影響はないと言っていいでしょう。

炭酸水を飲む際の注意点

甘い炭酸水は歯にはよくありませんので、できれば避けていく、頻繁に飲まないのがベストではありますが、やはりたまに飲みたくなることもあるでしょう。

その場合には次のような点に注意して飲まれることをおすすめします。

◆寝る前には飲まない

炭酸水を飲んで、口の中が酸性になっても、しばらくすると唾液で中和されます。ですが、就寝中は唾液の分泌が減ってしまうため、寝る直前に飲むと唾液で中和されにくくなってしまい、歯が溶けやすくなります。

◆口の中にためない

炭酸飲料を口の中で溜めて飲むような飲み方は、酸性に晒される時間が長くなるため、歯が溶けるリスクを高めます。そのため、溜めずにすぐ飲み込むか、ストローを使って飲むようにしましょう。

◆炭酸飲料を飲んだ後、水を飲む

炭酸飲料や酸の強い飲食物を口にした後は、水やお茶を飲むと、口の中が中性に戻りやすくなり、歯が溶けるリスクを下げることができます。