歯がしみる!これって虫歯?知覚過敏?
歯がしみると食事が楽しめなくなったり、歯磨きの時に苦痛を感じたりなど、生活の上で様々な支障が出てきてしまいます。歯がしみる原因や対処法などについて見ていきましょう。
歯がしみる原因
歯がしみる原因としては次のようなものが挙げられます。
1.虫歯
歯がしみる場合に多くの方が最初に疑うのは虫歯かもしれません。虫歯の場合、初期の段階ではほとんど症状を出しませんが、通常、深部に進行するにつれて甘いものや冷たいものがしみ始め、最終的には温かいものでもしみるような経過をたどります。
ですが、必ずしも全てがそのような経過をたどるわけではなく、かなり深い部分に虫歯が達していても全くしみない、という場合もあるので注意は必要です。
2.知覚過敏
知覚過敏とは、虫歯ではないのにもかかわらず、外部からの刺激(特に温度刺激)を過敏に感じてしまう状態です。 その原因としては次のようなケースがあります。
●歯茎が下がることによるもの
歯周病やブラッシング圧のかけすぎ、加齢現象などにより歯茎が下がると、歯根が露出し、外部からの刺激に過敏に反応してしまいます。
●歯ぎしりによるもの
歯ぎしりがひどいと、歯の根元部分に強い力がかかり続けてしまうことにより、歯の根元部分がえぐれてくさびのように欠けてくることがあり(くさび状欠損)、内部に刺激が伝わりやすくなることでしみやすくなります。また、歯ぎしりによって歯の表面に細かい亀裂が入ることでしみやすくなることもあります。
●虫歯を治療した後
特に虫歯が深かった場合、虫歯除去時の刺激が神経に伝わり、治療後しばらく温度刺激を感じやすくなります。ですが、ほとんどの場合日にちがたつにつれて軽快していきます。
歯がしみる場合の治療法
歯がしみる場合には、自己判断をせず、まずその原因を歯科できちんと調べることが大事です。その上で、原因により次のような治療法を行います。
◆虫歯の場合
虫歯が原因の場合にはできるだけ早く虫歯を取り除く必要があります。虫歯の治療後にしみるケースでは、治療後に経過を見て、改善傾向が見られずに悪化する場合には神経を取り除く治療が必要となる場合もあります。
◆知覚過敏の場合
歯周病が原因で歯茎が下がっている場合、歯周病の治療が必要です。ただし、歯周病治療をすると歯茎が引き締まり、さらに一時的にしみる症状が強く感じられることがあります。ほとんどの場合は自然に軽快していきますが、知覚過敏の薬を塗布したり、歯磨き時に力加減を注意したりなどしながら対処していきます。
ブラッシング圧が強すぎて歯茎が下がっている場合には、歯磨きの仕方の改善が必要ですので、一度、歯科医院でのブラッシング指導を受けることをおすすめします。
◆歯ぎしりが原因の場合
歯ぎしりが原因で知覚過敏が起こっている場合、歯ぎしりによるさらなる歯へのダメージを和らげるために、夜間に装着するマウスピースをお勧めします。歯ぎしりによって歯の根元がかけてしまっている場合には、その部分に樹脂の材料を詰めることでしみる症状を改善することができます。
ご自分でできる、しみる症状への対処法
虫歯で痛みやしみる症状を起こさないためには、こまめな定期検診を受け、虫歯予防、虫歯の早期発見・早期治療が大事です。歯周病に関しても、定期的な検診とクリーニングを受けること、そしてご家庭での正しいケア方法を知って対処していくことで知覚過敏を起こさないようにすることは可能です。ただし、歯の健康に対してあまり神経質になって歯磨きをやりすぎてしまうと、歯がブラッシングで削れてしまったり、歯茎が下がったりすることで逆に知覚過敏を起こすこともありますので注意が必要です。
もし知覚過敏の症状が出てしまった場合、歯科で塗り薬やレーザーなどの治療を受けることも可能ですが、すぐに効果が出ないことも多いため、ご家庭で歯磨きをする際に力のコントロールに気をつけながら、知覚過敏用の歯磨き粉を使うのもおすすめです。