インプラント再治療(やり直し)
インプラントは、本来10年・20年以上の長期安定を期待できる治療法です。しかし、全ての治療が必ず順調にいくわけではなく、国内外の研究では5〜10%程度が再治療を必要とすると報告されています。原因は、細菌感染、噛み合わせ、セルフケア不足、骨量不足、初期設計の問題など様々です。
当院では、原因を正確に特定し、必要に応じて撤去・再埋入・骨造成・周囲炎治療・補綴再設計まで一貫して行います。「再び噛める状態を取り戻す」ことをゴールとし、丁寧な診断と治療計画を徹底しています。
インプラント再治療が必要となる主なケース
- インプラントがグラグラする
- 噛むと痛み・違和感がある
- 歯ぐきから膿が出る(フィステル)
- インプラント周囲の腫れ・出血が続く
- 上部構造(被せ物)の破損・脱離
- ネジ緩み・破折
- 噛み合わせ不良
- 見た目(審美性)の問題
再治療が必要となる主な原因
- インプラント周囲炎(最も多い原因)
- 初期診断不足(骨量・全身状態)
- 誤った埋入位置・角度
- 過度な噛み合わせ・歯ぎしり
- 清掃指導・メインテナンス不足
- 喫煙・糖尿病などの全身要因
- メーカーの選択・補綴設計の問題
当院の再治療における診査・診断
- CT撮影による骨状態の精密評価
- インプラント埋入位置・角度分析
- 噛み合わせ(咬合)検査
- 歯周病・周囲炎の検査
- 全身状態・生活習慣ヒアリング
- 使用メーカー・補綴設計の確認
原因を特定せずに再治療すると、同じトラブルが再発する可能性が高くなります。そのため、診断工程こそ最も重要と考えています。
インプラント再治療の方法
① インプラント周囲炎の治療
スケーリング、デブライドメント、抗菌療法、レーザー治療などにより炎症を改善します。初期段階であれば撤去せずに保存できる場合があります。
② 上部構造(被せ物)・アバットメントの再製作
噛み合わせ不良・破損・清掃性の問題が原因の場合、補綴物の再設計で改善できることがあります。
③ ネジ緩み・破折への対応
適切なトルク管理、部品交換、再設計により改善を図ります。
④ インプラント撤去・再埋入
骨吸収や動揺が大きい場合は、無理に残さず撤去します。その後、骨造成(GBR・サイナスリフト等)を行い、適切な位置へ再埋入します。
⑤ 骨造成を併用した再治療
骨が不足している症例では、再埋入前に骨を回復させる処置が必要です。CT分析をもとに、安全な造成量・手技を選択します。
⑥ 噛み合わせ・歯ぎしり管理
マウスピース(ナイトガード)、咬合調整、生活習慣改善などを行います。
このような方は早めの受診をおすすめします
- インプラントが動いている気がする
- 歯ぐきが腫れたり引き締まったりを繰り返す
- メインテナンスを何年も受けていない
- 治療した医院へ相談しづらい
- 治療後数年しか経っていないのに不調がある
当院のインプラント再治療の特徴
- 精密CT診断・3Dシミュレーション
- 再発防止まで見据えた治療設計
- Xガイド・サージカルガイド対応
- 多様なメーカーへの知識と対応力
- 骨造成・周囲炎治療の経験豊富な歯科医師
- 静脈内鎮静法による不安軽減(必要な場合)
- メインテナンス体制(歯科衛生士担当制)
当院へ多いご相談内容
- 「他院で入れたインプラントでも診てもらえますか?」
- 「撤去になるのか判断してほしい」
- 「インプラント周囲炎が治らない」
- 「見た目が悪く、やり直したい」
- 「インプラントが折れた・抜けそう」
当院では他院治療の再診査・セカンドオピニオンにも対応しています。
費用について
インプラント再治療は自由診療です。必要な処置内容(撤去、骨造成、再埋入、補綴再製作など)により変動します。診断後、治療計画書と見積書を明確に提示いたします。
リスク・副作用
- 術後の腫れ・痛み・出血
- 骨造成による治療期間延長
- 全身疾患による制限
- 再治療でも保存できない場合がある
- インプラント周囲炎再発の可能性
よくある質問(Q&A)
Q. 他院のインプラントでも再治療できますか?
はい、可能です。メーカー情報が不明でもCT分析から判断できる場合があります。
Q. インプラントを抜く必要がありますか?
保存可能かどうかは骨量・感染状況により異なります。診査のうえ判断します。
Q. どれくらいの期間がかかりますか?
炎症治療や骨造成が必要な場合、数か月〜1年程度かかることがあります。
Q. 痛みが心配です
麻酔・静脈内鎮静法に対応しており、痛み・不安を最小限に配慮します。
インプラント再治療をお考えの方へ
インプラントは、適切な診断・治療・メインテナンスにより、再び快適に噛める状態を取り戻せる可能性があります。
「誰に相談していいかわからない」「治療を断られた」――そのような方も、まずはご相談ください。
患者様の背景や不安に寄り添い、最適な治療方法をご提案いたします。



