放置してきた虫歯の治療

院長より
忙しさや恐怖心、痛みが消えた安心感から、虫歯を長期間放置してしまうことは珍しくありません。
しかし、虫歯は自然治癒せず、時間とともに内部で進行します。
痛みが無くなったのは、神経が死んでしまったサインであることも多く、放置期間が長いほど治療は複雑化し、抜歯リスクも高まります。
当院では、できる限り歯を残すために、精密診断・歯髄保存治療・根管治療・感染除去・噛み合わせ管理まで一貫して行います。
「今さら遅いのでは…」と悩まず、まずは状態を確認させてください。

虫歯を放置すると起こること

  • エナメル質の虫歯 → 再石灰化のチャンスあり
  • 象牙質まで進行 → 痛み・しみる症状
  • 神経(歯髄)に到達 → 激痛・炎症・腫れ
  • 神経が壊死 → 痛みが消えるが内部で感染拡大
  • 根の先に膿(根尖病変) → フィステル形成・骨吸収
  • 歯が割れる・崩壊 → 抜歯の可能性

症状が無い=問題が無い、とは限りません。多くの方が「痛くなった時には重症化しています」。

当院がまず行う精密診断

  1. 問診・生活背景のヒアリング
  2. 口腔内写真・視診
  3. 歯髄診断(冷診・電気診)
  4. デジタルレントゲン・CT撮影
  5. 噛み合わせ・歯周状態の確認

虫歯の深さだけでなく、残せる歯質量・歯根の状態・骨吸収・全身疾患まで把握し、治療方針を決定します。

放置してきた虫歯の主な治療方法

① 歯髄保存治療(神経を残す治療)

虫歯が神経近くまで進行していても、適切な処置により神経を温存できる場合があります。MTAセメントなどの生体親和性材料を用い、歯の寿命を長く保ちます。

② 精密根管治療(神経を取った後の治療)

神経が壊死している、痛みが強い、膿ができている場合に行います。マイクロスコープで感染源を徹底除去し、再発リスクを抑えます。

③ コア・クラウン修復(被せ物による再建)

大きく欠けた歯は、噛む力に耐えられるよう土台を作り、被せ物で形態と機能を回復します。セラミックによる精密補綴にも対応します。

④ 抜歯+インプラント・ブリッジ・入れ歯

歯根破折や重度感染で保存不能な場合は抜歯となります。その後の咀嚼・審美・発音を考慮し、最適な欠損補綴をご提案します。

以下の症状がある場合は要注意です

  • 冷たいもの・熱いものでしみる
  • 噛むと痛む
  • 歯ぐきに白いできもの(フィステル)がある
  • 歯の色が黒い・欠けている
  • 痛かったのに、突然痛みが消えた
  • 口臭が強くなった

放置期間が長いほど治療選択肢は狭まります。

当院の特徴 ― 放置虫歯でも歯を守るために

  • マイクロスコープによる精密治療
  • 歯髄保存治療・根管治療に注力
  • 歯科用CTによる正確な診断
  • 静脈内鎮静法で恐怖心・嘔吐反射に配慮
  • 再発を防ぐ予防プログラム
  • 治療説明の徹底と選択肢提示

治療の流れ

  1. カウンセリング・検査
  2. 治療計画・費用説明
  3. 感染部位の処置・応急処置
  4. 根管治療・修復治療など本治療
  5. 最終補綴(詰め物・被せ物)
  6. 定期メインテナンス

治療を先延ばしにすると起こるデメリット

  • 治療期間が長くなる
  • 治療費が高額になる
  • 痛みや腫れの発生リスク
  • 抜歯やインプラントが必要になる可能性
  • 噛み合わせ・全身健康への影響

費用について

治療内容(歯髄保存、根管治療、補綴物の種類など)により異なります。保険診療・自由診療ともに対応しており、事前に費用をご提示します。

リスク・副作用

  • 一度失われた歯質は元に戻らない
  • 根管治療後に再感染する可能性
  • 神経を残せない場合がある
  • 抜歯が必要になるケースがある

よくある質問(Q&A)

Q. 痛みが無くても治療は必要ですか?

はい。神経が壊死して進行している可能性があります。早期受診をおすすめします。

Q. 長年放置した歯でも残せますか?

状態によりますが、診断のうえ歯髄保存・根管治療など歯を残す方法を優先します。

Q. 仕事が忙しいのですが通院回数は多いですか?

症状によります。治療期間について事前にご説明し、無理のない計画を立てます。

「もう無理かも…」と思っている方へ

虫歯を放置してしまったことを責める必要はありません。大切なのは「これからどう治すか」です。
現状の正確な診断と、将来を見据えた治療計画をご提案しますので、まずは一度ご相談ください。
しっかり噛める喜びと健康を取り戻すために、私たちがサポートします。