根尖性歯周炎

院長より
根尖性歯周炎とは、歯の内部(根管)で細菌が繁殖し、その感染が歯根の先端(根尖)へ波及し炎症や膿をつくる病気です。
初期は軽い違和感程度ですが、進行すると噛むと強い痛みが出たり、歯ぐきが腫れたり、発熱に至ることもあります。
放置すると骨が溶け、抜歯が必要になる場合もあるため、早期診断と適切な治療が大切です。
当院では、マイクロスコープを使用した精密根管治療により、歯の保存を目指します。

根尖性歯周炎の代表的な症状

  • 噛むと強く痛む(咬合痛)
  • 歯ぐきの腫れ・押すと痛い
  • 歯が浮いた感じがする
  • 自発痛(何もしなくてもズキズキする)
  • 歯ぐきから膿が出る(フィステル)
  • 口臭が強くなる
  • 熱感・倦怠感・発熱を伴うことがある

痛みが急に消えるのは治癒ではなく、神経が壊死した可能性があります。

なぜ根尖性歯周炎になるのか?(主な原因)

  • 虫歯の進行により歯髄が感染・壊死
  • 過去に受けた根管治療の再感染
  • 詰め物・被せ物の適合不良
  • 歯の亀裂・破折
  • 外傷(強い衝撃)

根管内の細菌をコントロールできない場合に発症します。

放置すると起こるリスク

  • 歯槽骨(骨)が溶ける
  • 急性化し激痛・腫脹を伴う
  • フィステル形成(膿の出口)
  • 歯根破折につながることがある
  • 抜歯が必要になる可能性
  • 全身疾患との関連(糖尿病・心疾患など)

当院で行う精密診査

  1. 問診・症状の経過確認
  2. 視診・叩打テスト・歯周ポケット検査
  3. デンタルX線による病変確認
  4. 必要に応じてCT撮影(立体的評価)
  5. マイクロスコープによる破折・亀裂確認
  6. 詰め物・噛み合わせ評価

原因部位・感染経路を特定することが治療成功の鍵です。

根尖性歯周炎の治療法

① 精密根管治療(最も基本的な治療)

マイクロスコープ・ラバーダム防湿を使用し、感染した根管内の細菌・汚染物質を徹底除去します。
再治療が必要な場合も丁寧にアプローチします。

② 根管再治療(過去の治療のやり直し)

古い土台・詰め物を除去し、根管形態や感染源を再評価します。
適切な消毒と封鎖により改善を目指します。

③ 歯根端切除術(症状が改善しない場合)

外科的に根尖部の感染組織を除去する治療です。
保存可能なケースで選択されます。

④ 残念ながら保存不可の場合

歯根破折・重度骨吸収などでは抜歯となることがあります。
その場合はインプラント・ブリッジ・入れ歯をご提案します。

症状が強い場合の応急処置

  • 痛み止めで症状緩和(医師指示の範囲内)
  • 患部を温めない
  • 強く噛まない・硬い物を避ける
  • 自己判断で膿を押し出さない

抗菌薬だけでは根本改善しません。必ず原因治療が必要です。

治療後の予防管理

  • 定期メインテナンス
  • 噛み合わせのチェック
  • 適切なブラッシング・フロス習慣
  • 精密な修復物の選択(適合性の高い補綴)
  • 生活習慣・食習慣の見直し

費用について

根管治療・再治療・外科処置・被せ物の種類により異なります。
保険診療・自由診療いずれも対応しており、事前に明確な説明を行います。

リスク・副作用

  • 治療後に一時的な痛み・腫れが出ることがある
  • 根管形態により治療回数が増える場合がある
  • 歯根破折のため保存できないケースがある
  • 再発の可能性がゼロではない

よくある質問(Q&A)

Q. 痛みが消えたら治った?

神経が壊死して痛みを感じなくなった可能性があり、治癒とは限りません。

Q. 抜歯しかないと言われました。残せますか?

精密根管治療で保存できる場合があります。まずはご相談ください。

Q. 膿が出ていますが大丈夫?

改善のサインではありません。感染が続いている状態です。

噛むと痛い・腫れた・違和感が続く方へ

根尖性歯周炎は早期治療ほど歯を守れる可能性が高くなります。
「歯が浮く感じ」「噛むと痛い」「繰り返す腫れ」――その症状、放置しないでください。
新宿で根尖性歯周炎・根管治療をご検討の方は、新宿西口歯科医院へお気軽にご相談ください。