歯根破折(歯の根が割れる)

院長より
歯根破折とは、歯の根(歯根)にヒビや割れが生じた状態を指します。
特に根管治療済みの歯・大きな被せ物が入った歯に多く見られ、「噛んだときの痛み」「繰り返す腫れ」「治らない根尖病変」が主なサインです。放置すると割れが進み、骨に炎症が広がり、抜歯せざるを得ないケースもあります。
当院では、マイクロスコープやCTを用いた精密診断で早期発見を重視し、可能な限り歯の保存を検討します。

歯根破折でよくみられる症状

  • 噛んだ瞬間に鋭い痛みが走る
  • 歯ぐきの腫れ・膿が出る(フィステル)
  • 治療しても痛みや腫れを繰り返す
  • 歯が浮いたような違和感
  • 特定の歯だけ噛みにくい
  • レントゲンで根尖病変が改善しない

症状が軽い時期もあるため、気づかれにくい病気です。

なぜ歯根破折は起こるのか?(主な原因)

  • 過去の根管治療による歯質の脆弱化
  • 歯ぎしり・食いしばりの強い力
  • 大きな金属・古い被せ物の負荷
  • 硬い食べ物・外傷・事故
  • 過度な支台築造(メタルコア)
  • 噛み合わせの不調和

神経を取っている歯は痛覚が弱く、破折に気づきにくい傾向があります。

放置すると起こるリスク

  • 歯周組織炎の進行
  • 骨吸収(歯槽骨が溶ける)
  • 膿瘍・強い痛み・発熱
  • 抜歯が必要になる可能性
  • 隣の歯まで影響することがある

当院が行う精密診査

  1. 問診(症状の経過・治療歴)
  2. 視診・触診・プロービング
  3. デンタルX線による病変確認
  4. 歯科用CTによる立体評価
  5. マイクロスコープでの亀裂確認
  6. 噛み合わせ・補綴物の状態確認

レントゲンだけでは判別できない場合が多く、精密検査が必須です。

歯根破折の治療方法(状態によって異なります)

① 保存可能な場合(亀裂が浅い・冠状部のみ)

破折ラインを除去し、精密補綴(セラミッククラウン等)で歯の強度を補います。
ナイトガードで咬合の負荷を軽減することも有効です。

② 歯根端切除術(限局的破折の場合)

根尖部の炎症組織・破折箇所を外科的に除去し、保存を図る治療です。

③ 抜歯が必要な場合(縦破折・広範囲の破折)

歯根破折は保存が難しい歯科疾患のひとつです。
抜歯後は、インプラント・ブリッジ・入れ歯などの機能回復治療をご提案します。

歯根破折を疑うべきケース

  • 根管治療後に症状が再発する
  • 歯周ポケットが一点だけ深い
  • 不規則な腫れや排膿を繰り返す
  • クラウンを外しても改善しない

歯根破折の予防策

  • 歯に優しい噛み合わせ管理
  • 歯ぎしり・食いしばり対策(ナイトガード)
  • 過度に硬い食品を避ける
  • 適合性の高い補綴物・セラミックの選択
  • 定期検診で早期発見

費用について

診査内容・治療方法(保存治療/外科治療/抜歯後補綴)により異なります。
保険診療・自由診療の両方に対応していますので、事前に明確にご説明いたします。

リスク・副作用

  • 治療後に痛みや違和感が出ることがある
  • 破折範囲によっては保存困難な場合がある
  • 外科処置が必要になることがある
  • 再発の可能性がゼロではない

よくある質問(Q&A)

Q. 痛みがなくても破折していることはありますか?

あります。神経を取った歯は痛みを感じにくく、無症状で進行することがあります。

Q. 抜歯せず治せますか?

破折の深さ・方向・範囲により異なります。精密検査が必要です。

Q. インプラントは必要ですか?

抜歯となった場合、周囲の歯を削らず噛める状態を回復できる選択肢として推奨されることがあります。

噛むと痛い・腫れが続く方へ

歯根破折は早期診断ほど保存できる可能性が高くなります。
「治療した歯が痛む」「原因不明の腫れが続く」――放置せず受診してください。
新宿で歯根破折・噛む痛みでお悩みの方は、新宿西口歯科医院へお気軽にご相談ください。