小児の矯正治療

院長より
小児矯正は成人の矯正治療とは考え方が異なる部分があります。成人の方は、歯並びが完成しており、顎の成長も終わっています。このことから、成人矯正では、歯を並べる治療になります。場合によっては抜歯矯正や顎の骨の手術を伴うようなケースもあります。対して小児の場合、まだ成長段階にあるため、顎の成長などを適切にコントロールしていくことで、歯の並ぶスペースをしっかり作りながら、キレイに歯を並べて、正しいかみ合わせを作っていくというものになります。
小児の矯正相談は、新宿西口歯科医院までご相談ください。

小児矯正について

小児矯正は、乳歯から永久歯の生え変わりの時期で、乳歯と永久歯が混在する時期である「混合歯列期」に行う「一期治療」と、永久歯に生え変わってから行う「二期治療」の2つがあります。

一期治療では、顎の成長する力を利用して、歯が並ぶために必要なスペースを確保していきます。つまり顎を拡大する治療を行います。一方、二期治療では歯を一つずつ正しい位置に移動させていきます。二期治療は成人矯正と同じ手法で治療を行います。

歯の並ぶスペースが足りないと不正咬合に

下のイラストでピンク色のベンチが歯ぐきの部分=歯列弓(しれつきゅう)とします。歯列弓は 前歯の先端から奥歯の外側にかけて馬の蹄(ひづめ)の形のようにアーチを描いている曲線のことです。 この部分の成長が十分でないと、歯の並ぶスペース(大きな大人の歯が生えてきた時に並ぶための場所)が足りなくなり、歯はデコボコになったりしてしまいます。現代人は。軟らかい食べ物を食べる機会が多くなったことなど様々な要因から、昔に比べて顎が小さく細くなり、歯列弓も狭いため、歯並びが悪く(不正咬合)なりやすいのです。しかし、まだ顎顔面も成長過程である子供の時期であれば、顎の成長を導いて歯の並ぶスペースを確保することも可能です。

歯の並ぶスペースが足りない

歯の並ぶスペースがある

子供の矯正治療の時期

子供の矯正治療は、歯の生え変わりの時期がベストです。顎の成長を利用しながら矯正治療が行えるからです。目安としては、6~7歳あたりの小学生になったタイミングでご相談していただくことをおすすめします。

一期治療

現代の子供の歯や顎の発育

現代では子供の栄養状態が良くなり、歯そのものの大きさが大きくなってきました。しかし、軟食化の傾向が進み、噛む回数も減り、結果として顎の発育は悪い傾向にあるといえます。つまり歯が大きくなったのに、歯の並ぶスペースが足りないといったことが起こり、永久歯がガタガタに生えてしまうのです。例えるなら、狭いベンチに大人数が座ろうとするようなものです。

成長の力を利用して顎や歯並びの正しい成長を導く

「一期治療」は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に行う治療で、成長の力を利用して、顎の正しい成長を導き、顎の形や大きさを整えながら、永久歯がキレイに生え揃うための下地を作っていく治療です。一期治療をしっかり行うことで、二期治療の必要がなくなる場合もありますし、二期治療の時により良い仕上がりになったりする他、治療期間の短縮や、抜歯矯正の必要がなくなったりといったメリットが期待できる治療です。

乳歯の時の歯の隙間は大丈夫?

乳歯の時の歯と歯の間にすき間があることを心配される方もいらっしゃいます。歯が隙間なくキレイに並んでいると良さそうに思えるのですが、乳歯列期の時に限ってはそれは間違いです。大人の永久歯は乳歯よりも大きいため、乳歯の時は歯と歯の間に隙間が空いているほうが良いのです。乳歯が隙間なく生えている場合、大きな永久歯が生えてくると、全ての歯が生え揃う場所がなくなり、歯並びがガタガタになってしまいます。そのため、乳歯が隙間なく生え揃っている場合には、むしろ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

二期治療

「二期治療」はワイヤーやマウスピースなどの矯正装置を装着して歯を動かしていく治療です。永久歯が生え揃ってからの治療開始となり、成人矯正と同じ治療方法となります。「一期治療」をしっかり行っておくことで、より有利に治療を進めていくことが可能となることが多いです。

※一期治療を受けそびれてしまった方も「二期治療」を受けることが出来ますのでご安心下さい。

主な矯正装置の種類

小児矯正では、さまざまな矯正装置が使用されます。装置は子供の口腔の発育と矯正の目標に応じて選ばれます。歯列の不正や咬合異常に合わせて適切な矯正装置が選ばれ、子供の健康な歯並びを実現するために活用されます。

拡大床

取り外し可能な装置で、特定の時間帯や寝る前に使用します。歯の移動や口腔発育の促進に使用されます。

マルチブラケット装置

ブラケットとワイヤーを使用して歯を移動させます。メタルブラケットやセラミックブラケットがあります。

マウスピース型矯正装置

カスタムメイドの透明なプラスチック製マウスピースで、歯列の移動に使用されます。外見的に目立ちにくく、取り外しが容易です。