クラックトゥース(歯の亀裂)
院長より
クラックトゥースとは、歯の表面から内部に向かって亀裂(ひび)が入った状態を指す歯科用語です。むし歯のように穴は開かず、レントゲンにも映りにくいため、発見が遅れやすい特徴があります。
特に「噛んだ瞬間だけ鋭く痛む」「温かいものでしみる」「同じ場所が繰り返し痛む」といった症状は要注意です。
放置すると、神経の炎症や歯根破折につながり、抜歯が必要になるケースもあります。
当院では、マイクロスコープを用いた精密診断で、早期発見・早期治療を重視しています。
クラックトゥースの代表的な症状
- 噛んだ瞬間に「ピキッ」と痛む
- 咀嚼時に不定期に痛みが走る
- 冷たいもの・甘いものでしみる
- 痛みの位置が特定しにくい
- 何度も同じ歯のトラブルを繰り返す
- 歯ぐきに違和感・腫れを感じる
痛みが出たり消えたりするため、見過ごされがちです。
クラックが起こる主な原因
- 歯ぎしり・食いしばりの習慣
- 大きな銀歯・古い詰め物による負荷
- 硬い食べ物を噛む習慣(氷・ナッツ等)
- 過去の外傷・強い噛み合わせ
- 加齢によるエナメル質の脆弱化
特に奥歯・治療済みの歯に多く見られます。
放置すると起こるリスク
- 歯髄炎(神経の炎症)
- 根尖性歯周炎(歯根の先に膿)
- フィステル形成(膿の出口)
- 歯根破折 → 抜歯が必要になる
- インプラントや入れ歯治療が必要になる
早期診断・早期治療ほど残せる確率が高くなります。
当院で行う精密診断
- 問診・痛みの性質の分析
- 咬合検査(噛み合わせ確認)
- マイクロスコープによる視認
- 染色検査・トランスイルミネーション
- デンタルX線・必要に応じCT撮影
肉眼では見えない微細な亀裂でも確認できる体制を整えています。
治療方法(亀裂の範囲により異なります)
① 削らず経過観察(軽度の場合)
一時的な症状や浅い表層のヒビであれば、咬合管理や生活指導を行いながら経過をみます。
② コンポジットレジン修復(初期)
浅い亀裂を封鎖し、進行や細菌侵入を防ぎます。
③ セラミッククラウン・アンレー(中等度)
歯全体を補強し、咀嚼時の力を分散することで破折リスクを下げます。
再発を防ぐため、精密な適合性が重要です。
④ 精密根管治療(神経に達している場合)
マイクロスコープ・ラバーダムを使用し、感染源を除去しながら歯の保存を図ります。
⑤ 抜歯(歯根破折の場合)
亀裂が歯根まで進行している場合、保存が難しくなることがあります。
その際はインプラント、ブリッジ、入れ歯をご提案します。
当院が重視しているポイント
- マイクロスコープ診断による早期発見
- 精密補綴で再発・破折リスクを抑制
- 咬合評価(噛む力の分散)
- 歯ぎしり対策(ナイトガード)
- 定期検診で長期モニタリング
予防のためにできること
- 歯ぎしり・食いしばりの改善(ナイトガード)
- 硬すぎる食品を避ける
- 適切なブラッシング習慣
- 定期メインテナンス
- 古い銀歯の見直し
リスク・副作用
- 治療後に一時的なしみ・痛みが出ることがある
- 補綴物の再作製が必要な場合がある
- 進行度により保存できないことがある
よくある質問(Q&A)
Q. レントゲンに写らないのはなぜ?
亀裂は非常に細く、X線では確認できないことが多いためです。
マイクロスコープ診断が有効です。
Q. 痛みが消えたら治った?
必ずしも治癒とは限りません。
神経が弱っている、壊死している可能性もあります。
Q. 根管治療で治ることはありますか?
亀裂の深さ・範囲により保存できる可能性があります。診断が必要です。
噛んだときの痛み・違和感が続く方へ
クラックトゥースは、早期に気づくほど残せる確率が高くなります。
「なんとなく噛むと痛い」「治療したのに違和感が続く」――放置せずご相談ください。
新宿で歯の亀裂・歯ぎしり・噛む痛みでお悩みの方は、新宿西口歯科医院へお気軽にお問い合わせください。



