タバコを吸う人にインプラントが勧められない理由

インプラントは歯を失った際に行われる治療で、元々歯が骨に埋まっていた状態に最も近い状態を再現できる治療法です。

骨に埋め込む人工歯根は骨としっかり固定されるため、なんでもしっかりと噛め、見た目も自然であるため、大変人気が高まっている治療法ですが、万人にベストな治療法というわけではなく、中にはインプラント治療をすることが勧められない人もいます。

タバコを吸う人もそれに当たります。今回はなぜタバコを吸う人にインプラント治療が勧められないのか、その理由についてご紹介します。

 

タバコがインプラントに及ぼす影響

タバコは血流を悪くしてしまいますので、傷口の治りを悪くしてしまいます。そのため、歯周病の治療や抜歯を行った際には治りが遅い傾向があります。

それはインプラント手術後にも同様で、インプラント手術をした後に骨とインプラントがきちんとくっつかなくなってしまう恐れがあります。

インプラントを機能させるためには、骨とインプラントがしっかりと結合することが必要不可欠ですし、仮に結合したとしても、その後にインプラント周囲に炎症が起こった際に治りが悪くなり、治療をしてもなかなか効果が現れず、早くインプラントを失ってしまうことになりかねません。

このように、インプラントにとってタバコは大きなリスクとなりますので、インプラント治療を考えている方は禁煙することが勧められます。

タバコでインプラントの失敗率が4倍高まる

タバコを日常的に吸っている方、特にヘビースモーカーの方の場合だと、インプラント治療が失敗に終わるリスクが4倍高くなる、という研究報告があります。

インプラントは骨に埋め込まれますが、インプラントが骨に保持されるためには、骨の健康状態が非常に重要になってきます。

骨やその周囲の組織が健全に保たれるためには、血流が十分であること、十分な酸素が供給されることというのは絶対に必要な条件となります。

タバコを吸うことにより、それが阻害されてしまうことになりますので、いくら歯磨きを頑張ったとしても、それが無意味になるほど、大きなリスクを背負い続けることになってしまうのです。

実際に、インプラント治療を行う条件として、「タバコを吸わない」ということを挙げている歯科医院は多くあります。

インプラントは決して安い治療ではありません。せっかく入れたインプラントをできるだけ長持ちさせるためにも、インプラント治療を検討中の方は、できるだけ早めに禁煙されることをお勧めします。